アイヌ語継承

9月9日の東京新聞「話題の発掘」欄に『消滅危機アイヌ語継承を』と題した記事がある。この記事は東京新聞のウェブサイトには載ってないので、著作権の問題はあるかも知れないけど此処に書き写して置きます。問題が生じたら削除します。


消滅危機アイヌ語継承を

18日、那覇で言語サミット

昔語りの山本さん訴え

国連教育科学文化機関(ユネスコ)から消滅の危機にあると認定された日本国内の八言語・方言の関係者が集まり、今後の継承などを話し合う「危機的な状況にある言語・方言サミット 沖縄大会」(文化庁主催)が、十八日に那覇市で開かれる。国内で唯一、五段階評価で最も危機的とされたアイヌ語では、アイヌ文化伝承者を目指す北海道白老町の山本りえさん(二八)が「語り」部門で発表する。

山本さんは、大正期のアイヌ文化伝承者知里幸恵さんの著書「アイヌ神謡集」に収録された物語一編を十五分程度、アイヌ語で語る。今年三月に釧路市で開かれたアイヌ文化を紹介する催しで、昔語りをする姿が文化庁の国語調査官の目に留まり、大会への参加を依頼された。
アイヌ民族の山本さんは釧路市阿寒湖畔の出身。祖父はアイヌ文化の普及に尽くした著名なエカシ(長老)の故山本多助さん。十代のころは「アイヌ民族であることをからかわれるなど嫌なこともあった」というが、同じ民族の若者と交流する中で、歌や踊りが持つ「独特のリズム」に魅了された。
札幌大でアイヌ文化などを学び、現在はアイヌ文化振興・研究推進機構(札幌)のアイヌ文化伝承者育成事業の受講生として白老町アイヌ民族博物館を拠点に活動している。「アイヌ語の歌や物語が好きで活動をしており、言葉や文化の理解が広がればうれしい」と意気込む。
大会は昨年十二月、東京・八丈島で初めて開かれた。二回目の今回は危機的な言語や方言の現状について、琉球大と国立国語研究所の研究者が発表するほか、北海道大アイヌ・先住民研究センターの北原次郎太准教授も研究成果を報告する。
ユネスコは二〇〇九年、消滅の危機にある言語を公表した。言語のアイヌ語は最も危機的な「極めて深刻」とランクされた。他の七つはすべて方言で、沖縄の八重山、与那国が二番目に危機的な「重大な危機」、東京の八丈や奄美諸島の奄美、沖縄の沖縄、国頭、宮古が三番目の「危険」だった。



この記事ではアイヌ語以外は方言とされているけど、ユネスコ基準では八言語は全て方言というレベルではなく独立言語であるとされている。